私は32歳の時に、夫のギャンブル依存症が原因で離婚しました。
離婚を決意する1年ほど前に夫がギャンブルで借金をしていることが発覚したのですが、その時は私と夫の両親が借金を立て替え、夫も二度とギャンブルはやらないと誓ってくれたんです。
しかし、夫はそれからも私に隠れてギャンブルを続けていました・・・
でも、その時は夫に対する愛情がまだ残っていましたし、私一人で子供を養っていくのは難しいと感じていたので、最初は離婚しないことを前提に、夫と頑張っていける方法を考え抜きました。
目次
離婚しないと決めた時にしたこと
離婚しないと決めた時、私は夫にギャンブル依存症のカウンセリングを受けさせました。
すると、やはり夫はギャンブル依存症と診断され、ギャンブル依存症の自助グループへ参加したり、回復施設に入ってもらうよう説得したんです。
しかし、夫は自分がギャンブル依存症ということを認めず、私がいくら説得しても耳を貸そうとしませんでした。
「俺は依存症じゃないから、ギャンブルをやめようと思えばすぐにでもやめられる」
何度同じ言い訳を聞いたことでしょうか。
ギャンブルをやめると誓った数日後には、そんな誓いは忘れたかのように近所のパチンコ屋に通ってお金を溶かし、お金が無くなると私に泣きついてきました。
依存症と共依存者
夫がギャンブル依存症ということが分かってから、私はギャンブル依存症の知識を身に付けるために、自助グループのミーティングに参加しました。
そこで私は、ギャンブル依存症患者の周りにはお金を工面したりといった尻ぬぐいをする共依存者がいるということを知ったんです。
共依存という言葉を知った時、私が夫のために良かれと思って借金を立て替えてしまったことが、逆に夫のギャンブル依存症を悪化させてしまったんだと、どれだけ後悔しても悔やみきれませんでした・・・
それからは、どれだけ夫が泣きついてきても心を鬼にして、夫の借金の尻ぬぐいは一切しないことを決意しました。
嘘を付いてまでお金を借りる夫
夫の給料や生活費の管理は全て私がして、ギャンブルに使えるようなお金を夫の手元に残さないようにすることを決めたのですが、
「仕事の飲み会でお金がいる」
といった相談をされた時には、私は何の疑いもなく夫にお金を差し出しました。
それからしばらく経つと今度は、
「大学の同窓会があるから会費がいる」
といった相談をされ、夫に会費を差し出しました。
そういった話があまりに頻繁に続いたので、これは絶対におかしいと思って近所のパチンコ屋の駐車場を覗くと、そこにはやはり夫の車が停まっていました・・・
「ギャンブルのせいで私の生活はメチャクチャ、ギャンブルのせいで子供の人生が台無しになるのは酷すぎる」
夫の顔を見た瞬間にそんな感情が爆発し、私は夫に初めて離婚を切り出したんです。
私がした離婚準備
『離婚』という言葉を聞いた夫はさすがに焦ったようで、必死な顔でありとあらゆる言い訳をしてきました。
しかし、何度も夫に嘘を付かれている私にとっては、もはやどんな言い訳を聞いても全く心が動かされません。
でも、いきなり離婚に踏み切っても、私一人では到底子供を養っていくことができないと思ったので、夫には内緒で離婚の準備を進めていきました。
経済的な自立ができる状態に
まずは自分が経済的な自立ができる状態になるために、条件のいい職場を探すことからスタートしました。
また、就職活動と並行して、役所に行って今後の生活について相談をしました。
これに関しては、母子家庭手当てなどをはじめとして、様々な手当や補助が受けられる可能性があると聞いたからです。
協議離婚と調停離婚
法律に詳しい大学時代の友人に、ギャンブル依存症の夫との離婚について相談してみたところ、離婚には協議離婚と調停離婚というものが存在することを知りました。
協議離婚は当事者同士だけで話し合いをして離婚するかどうかを決めるので、親権者や養育費、慰謝料といったことが曖昧なままで離婚してしまう可能性があります。
しかし、調停離婚は家庭裁判所で調停委員が立ち会ってくれるため、親権者や養育費、慰謝料といった決めるべきことをしっかりと決めることができるんです。
また、調停離婚では公的な文章である調停証書が残るので、給料の差し押さえなどの強制執行もできます。
調停に掛かる費用は2,000~3,000円くらいでしたし、離婚した相手から養育費や慰謝料をもらいたい場合は、協議離婚よりも調停離婚をオススメします。
調停証書を作成せずに離婚をした結果、養育費や慰謝料の支払いがうやむやになってしまっているという話はよくあるそうなので・・・
養育費と慰謝料
調停離婚で養育費と慰謝料をしっかりと取り決めれば、基本的には離婚後に調停の内容に基づいた金額を支払ってもらえます。
ただ、それは相手に支払い能力がある場合で、そうでない場合は養育費や慰謝料をもらうことは難しいです。
私の元夫は今のところは大丈夫ですが、いくら調停証書が残っていて給料の差し押さえができるとは言え、相手が無職になってしまえば給料の差し押さえはできません。
また、既に離婚する前に無職だった場合は、当然相手には慰謝料を支払う能力もありません。
そもそも、私は相手のギャンブル依存症と借金が原因で離婚をしている身なので、養育費や慰謝料に関してはあまり期待していませんでした。
そういった気持ちもあって、離婚の準備段階で条件がいい職場を探していたのですが、経済的にも精神的にもゆとりが生まれて正解だったと思います。
ちなみに、当初の養育費や慰謝料については元夫の両親が立て替えたようです。
「元夫の両親が息子の尻ぬぐいをやめない限り、ギャンブル依存症はこれからも絶対に治らない」
と思いましたが、これ以上元夫のことを考えて気持ちが落ちてしまうのが嫌でしたし、養育費と慰謝料さえ払ってくれればそれでいいと割り切ることにしました。
離婚後の生活
まずは最初に率直な感想を。
私は、ギャンブル依存症の夫と離婚して本当に良かったです!
養育費もしっかりと貰えていますし、元夫の借金癖やギャンブルに悩まされることもなく、人間らしい生活ができていると実感しています。
元夫も離婚をして家庭を失ったことから初めて現状を受け入れられたようで、それまでの自分の考えを改めてギャンブル依存症の自助グループに参加しているとのこと。
先ほど、両親が息子の尻ぬぐいをやめない限り、ギャンブル依存症は絶対に治らないと言いましたが、自分がギャンブル依存症ということを自覚したことで、元夫の行動にも変化が現れてきたようです。
元々子供好きという性格もあってか、今では息子に養育費を支払わなくてはならないという想いが強く、ギャンブルもほとんどしていないんじゃないかと思います。
思い切って離婚に踏み切ったことで親としての関係は逆に良くなりましたし、結婚していた時よりも適度な距離感を保てていてずっと楽です。
私の離婚体験談が、ギャンブル依存症の夫に悩まされている方々への参考になれば嬉しく思います。