今回は、闇金の相談を警察にする前に絶対に押さえておきたいポイントを解説していきます。
実は、あなたが本当に闇金の被害に遭っていたとしても、それをそのまま警察に相談しただけではこれといった対応をしてくれない可能性が高いです。
冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが、何の下準備もなく慌てて警察に駆け込んでも解決には繋がりにくいので、警察が対応してくれない理由と対応してもらうためにはどうしたらいいかを把握しておきましょう。
目次
警察に相談しても対応してくれない理由
唐突に警察に闇金の相談をして何の対応もしてくれない理由はズバリ、闇金被害に遭っているという【証拠】がないから。
警察は闇金以外にも様々な事件の対応に日々追われているので、これといった証拠もないのに対応できるほど人手が足りていないのが実情なんです。
もちろん、今からまさに闇金の取り立てが始まるところで、あなたが危険な状況に陥っているという場合であれば話は別です。
110番で通報したり交番、警察署に駆け込んで身の安全を確保しましょう。
ハッキリとした証拠があれば、警察もあなたの身を守るために動いてくれます。
基本は民事不介入のスタンス
最近は闇金対策の法律が整備されてきたので、昔に比べて警察も闇金逮捕に向けて積極的に動くようにはなりました。
とは言え、やはり証拠がなければ警察も動くことができないので、
「闇金は違法だから取り立てがあっても無視してください」
といった程度のアドバイスで終わったり、
「闇金からお金を借りた方も悪い、借りたお金は返しなさい」
と突き放したような対応を取られる場合もあるようです。
こういった対応は、警察は個人間のトラブルには立ち入らないという民事不介入の原則に基づいています。
TVや新聞で報道されているのは氷山の一角
中には警察が動いたおかげで闇金業者が逮捕されたという報道もありますが、TVや新聞で取り上げられているようなものは事件性が極めて高いケースです。
例えば、たくさんの人たちが同じ闇金業者から違法な取り立ての被害に遭っているとか、債務者の命に関わるような重大な事件。
報道されているのはあくまで氷山の一角に過ぎず、実際にはもっと大勢の人たちが闇金業者の取り立てに苦しんでいるのに、闇金の被害に遭っているという証拠がなく警察も対応できていません。
闇金にとって警察は天敵
そもそも、闇金にとって警察は天敵でなので、闇金業者は警察に逮捕されるようなリスクを負わないように取り立てしています。
闇金に関する法律が整備されたことで、債務者に暴力を振るったり悪質な嫌がらせをする闇金は減りましたが、事務所を持たずに電話やネットだけでやり取りをする闇金業者が増えました。
さらに、携帯電話や口座は支払いができなくなった債務者のものを使ったり、最近ではSNSを使ってやり取りをしているので闇金業者を特定することができず、決定打のある証拠になりづらいんです。
先ほど、身の危険が目前に迫っているような緊急性の高い場合はすぐ警察に相談すべきと説明しましたが、闇金業者もむざむざ自分が逮捕されるようなリスクは冒しません。
警察に闇金業者の電話番号を教えて注意してもらったとしても、証拠がなければ知らん振りをされて終わりです。
また、警察が闇金に電話をかけた際に繋がらなければ、基本的にはそれ以上の対応はしてくれません。
それどころか、警察に相談したことがキッカケで取り立てが厳しくなる危険性もあるので、さらに状況が悪化してしまわないよう、闇金の相談を警察にする前には事前準備を入念にしておくことが重要になります。
兎にも角にも証拠を残す
闇金の相談を警察にする前には、兎にも角にも証拠となりえるありとあらゆるものを手元に残しておくことです。
警察も事件性があると判断すれば、あなたの身を守るために闇金業者に対してアクションを起こしてくれます。
それではここに、闇金業者の取り立ての証拠となりえるものを挙げておきますね。
闇金業者名や電話番号・サイトのアドレス
まずは基本的なことから挙げていますが、闇金業者名や電話番号、サイトのアドレスは確実に控えておきましょう。
ダイレクトメールやチラシを経由して闇金業者と連絡を取ったのであれば、そういったものも残しておくべきです。
それと、闇金業者の担当者の名前もですね。
最近は対面でのやり取りをする闇金は少ないですが、もし会ったことがあれば相手の特徴も押さえておきましょう。
電話越しでのやり取りであれば、相手の訛りとか喋り方の特徴を把握しておき、それを警察に伝えられるようにしておくといいですね。
やり取りの日時と内容
次に重要になるのは、闇金業者とやり取りした日時や内容です。
もし契約書を書かされたのであれば有効な証拠になりますし、闇金からの着信履歴やメールやSNSの履歴は全て手元に残しておくようにしてください。
また、電話でのやり取りはアプリなどを使って録音しておくようにしましょう。
元金や利息をはじめとしたお金の動き
元金や利息をはじめとしたお金の動きを正確に伝えることも、警察に相談する際には重要です。
闇金と契約した日付、元金を提示できるのはもちろんのこと、今までに闇金に支払った利息や残りの返済額、次回の返済予定日を警察に伝えられるようにしておきましょう。
自分の通帳やATMの詳細など、お金の動きが分かるものは全て手元に残しておいてください。
闇金からの嫌がらせの内容
闇金から悪質な嫌がらせを受けている場合、嫌がらせの証拠も残しておきましょう。
実家や職場、知り合いや近所に迷惑電話をかけられているなら、着信履歴を控えたり録音することができれば証拠になります。
それに付随して、闇金業者に教えてしまった家族や職場情報も伝えられるといいですね。
また、もし暴力を受けて怪我をしてしまったのであれば医師に診断書を書いてもらうことで証拠として使えますし、対面での取り立ては音声の録音や動画を撮影することで証拠として使えます。
証拠を揃えたら警察へ
自分が被害に遭っているというできる限りの証拠を揃えたら、いよいよ闇金の相談を警察にすることになります。
闇金被害は生活安全課が担当していますが、連絡をせずに足を運んでも担当者が不在の場合があるので、事前に電話をかけてアポイントを取っておいた方がいいでしょう。
中には闇金からお金を借りていることが罪だと思いこんで、中々警察に相談できずにいる方もいますが、はじめから返すつもりがないのにお金を借りれば詐欺罪になる可能性はありますが、そうでなければ犯罪にはならないので大丈夫です。
生活安全課に行ったら被害届を出したいということと、闇金に警告の電話をかけて欲しいという意見をハッキリと伝えましょう。
それと、被害届を出すためには身分証明書と印鑑が必要になるので、忘れずに用意しておいてくださいね。
相談後の闇金への対応
闇金の被害届を出して警察に警告電話もかけてもらったら、それ以降は闇金の電話には一切出ないようにしましょう。
闇金は複数の携帯電話を持っているので、時には心当たりのない電話から着信が入り、電話に出たら闇金だったということもあるかもしれません。
その場合は、向こうの取り立てにひるまず支払いの意思がないことをハッキリと伝えましょう。
闇金からの報復が怖いと感じるかもしれませんが、闇金は警察に逮捕されるリスクを冒してまで悪質な取り立てはしません。
そんなリスクを背負うくらいなら、確実にお金を回収できる債権者にあたった方が効率が良いので、無視していれば1~2ヶ月ほどで連絡が途絶えることがほとんどですよ。
闇金から立て続けに着信が入ってくる間は恐怖を感じるかもしれませんが、決してひるまずに意思を貫き通しましょう。
最後に
闇金に関する法律が整備されてからは強引な取り立てを行う闇金業者は減ってきていましたが、ここ最近になって家族や知人、会社や近所にしつこく電話をする闇金が増えてきているようです。
中には闇金の嫌がらせに負けてしまい、闇金からお金を借りていない家族や知人が支払ってしまうケースもあるため、一刻も早く闇金被害の解決をしたいなら警察とのパイプがある弁護士にも相談することを考えた方がいいですよ。
なぜなら、個人ではなく法的な機関が介入することによって警察も動きやすくなるから。
闇金がキッカケで人間関係が壊れてしまったり離職に追い込まれてしまえば、闇金問題を解決してもそれまでのような生活に戻ることはできないので、私としては早期解決のために闇金に強い弁護士、警察のどちらにも相談することをおすすめします。