カードとチップ1

ここでは、国とギャンブル施行者・事業者が取り組んでいるギャンブル依存症対策法を紹介します。

厳密に言えばギャンブル依存症対策法ではなく、ギャンブル等依存症対策法と呼ばれており、ギャンブル等とは公営ギャンブルのほかにパチンコが含まれます。

諸外国と比べて日本はギャンブル依存症対策が遅れていると言わざるをえませんが、カジノ法案(IR推進法案)可決に伴い、まずは公営ギャンブルやパチンコの依存症対策に目が向けられることになりました。

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パチンコの依存症対策

2017年から2018年にかけて、パチンコの依存症対策として大きな話題になったのは出玉規制

大当り1回あたりの出玉制限が2,400個から1,500個に引き下げられ、4時間遊技した場合の出玉が今までの2/3、金額に換算すると5万円以内の出玉となるよう定められました。

 

簡単に言えば、これまでのハイリスク・ハイリターンなゲーム性を規制して、ローリスク・ローリターンなゲーム性に切り替わるということ。

この規制により、勝ち額や負け額が小さくなってパチンコ依存者が減るのではないかと思えるかもしれませんが、果たしてそんなに単純にギャンブル依存症問題が解決するのでしょうか・・・?

出玉規制のリスク

レトロなパチンコ台1

出玉規制で懸念されることは、もともとパチンコに依存していたら勝ち額や負け額が小さくなろうと、結局打ちに行ってしまうのではないかということです。

確かにローリスクなスペックに変更されたことで、負け額は減るかもしれません。

 

しかし、パチンコ依存者にとっては遊技時間が今までよりも長くなるだけで、結果的に時間とお金の両方を失ってしまうのではないでしょうか?

遊技時間が長くなるということは、その分パチンコ以外のことをする時間が犠牲になるということで、家族関係や仕事にも支障が出てしまうリスクをはらんでいます。

 

また、リターンが少ないと感じたパチンコ愛好家は、リターンが大きい他の公営ギャンブルに流れるだけだと思います。

そして、愛好家が消えたパチンコホールはパチンコ依存者だらけ・・・なんて事態になってしまえば本末転倒です。

規制は本当に必要か?

パチンコ業界では、今までに様々な規制が実施されてきました。

記憶に新しいのはMAX機の撤去ですが、2011年には○日は激アツ、△△が設定6確定といったような広告宣伝規制が実施されたことを知っていますか?

様々な規制によってパチンコ人口は減りましたが、1人あたりの投資金額は増えています。

 

つまり、ライトな遊技客はパチンコから遠ざかったものの、依存症レベルのヘビーな遊技客は規制が入ろうが変わらずパチンコを打ち続け、投資額も増え続けているということが想像できます。

規制が依存症対策に繋がるのであれば、1人あたりの投資金額も減っていくのが自然ですからね。

 

このことから、依存症対策で必要なのはパチンコのスペックを規制することよりも、ギャンブル依存症という病気についての正しい知識を日本国内で広く浸透させることと、ギャンブル依存症の回復施設や自助グループの支援の充実させることなのではないかと考えています。

申告プログラムも実施

セミナーをする男性01

パチンコ業界では出玉規制とは別に自己申告プログラム、家族申告プログラムがギャンブル依存症対策として実施されています。

自己申告プログラム

自己申告プログラムというのは、遊技客本人が事前にパチンコホールに月に使っていい金額の上限を伝えておき、上限を超えるとスタッフが声をかけるというもの。

金額の上限は会員カードデータを基にしており、カードを入れた時にエラーを出すといった方法でスタッフが把握します。

 

自己申告プログラムの問題点は、まず前提として遊技客がそのホールの会員カードを持っていないと意味がないということ。

また、仮に会員カードを作っていたとしても、会員カードを使わずに遊技すれば使用金額が分からなくなる・・・ということですね。

家族申告プログラム

家族申告プログラムは自己申告プログラムを発展させたもので、遊技客本人だけでなく家族からの申告によって遊技客の入店、遊技を制限できるプログラムとなっています。

家族申請プログラム実施に伴い、自己申告プログラムでも入店回数や遊技時間の制限を申請することができるようになり、もし制限に該当する遊技客をスタッフが確認した場合には、遊技の中止や退店を促します。

 

使用金額に関しては引き続き会員カードのデータを基にしており、申込者の顔写真をホールスタッフの間で共有して目視での確認も行っているとのこと。

会員カードを作っていない遊技客の使用金額は把握できない、現実的に全ての近隣店舗で入店、遊技制限をかけるのは難しい、全ての申込者をスタッフが把握するのも難しいといった問題もありますが、決まったホールでしか遊技しない方にとっては効果的な対策と言えそうですね。

公営ギャンブルの依存症対策

競馬場のおっちゃん1

公営ギャンブルでもパチンコと同じように、本人や家族の申告による使用金額に上限を作ったり、入場回数を制限する制度が順次導入されています。

公営ギャンブルでの先駆けは日本中央競馬会(JRA)で、JRAは2017年12月からこれらの対策が実施されました。

 

また、インターネットを使った投票券の購入についても見直されており、サイト上に注意喚起の文章や相談窓口案内を掲載しています。

それと、購入限度額を設定するシステムについては、2022年までに整備を完了させる方針とのことです。

IR実施法案について

ベットするグラサン男1

現在はカジノ解禁にあたって、入場料や入場回数制限の取り決めが順次行われています。

2018年5月時点では、日本に住んでいる人の入場料が6,000円、入場回数は週3回、月10回ということで話が進んでいます。

本人確認については、マイナンバーカーの提示を義務付けることで対応するようです。

懸念されること

日本に住んでいる人から入場料を取ることで懸念されるのは、入場料分の元を取ろうという気持ちからカジノで使う金額が膨れ上がるのではないかということ。

これは「ギャンブルで負けた分はギャンブルで取り返す」という、ギャンブル依存者の典型的な考え方と同じ考え方ですね。

実際、シンガポールでは8,000円の入場料が必要なのに関わらず、負けを取り返そうとムキになって何度もカジノに足を運ぶ人が多いようです。

 

また、いくら入場回数を制限したところで、1回あたりに使う金額が膨れ上がっては意味がありません。

これに関しては金額上限を設けることで対応できるかもしれませんが、そもそも入場回数を週3回、月10回と制限した根拠は何なのでしょうか?

週末にしかやっていないJRAでもギャンブル依存症になるくらいなので、ハッキリとした根拠を示した上で入場回数制限を取り決めるべきだと思います。

諸外国のギャンブル依存症対策

諸外国では年齢確認が徹底されているほか、使用金額上限はもちろん一定回数以上カジノに入場した人に対して通知を出し、自己申告やカウンセリングを受けさせるといった対策が行われています。

また、ギャンブル依存症の相談機関や専門の医療機関や回復施設、ギャンブル依存症の啓発活動や予防教育にも力が入れられていますし、ギャンブルの広告も制限されています。

カジノを日本に作るのであれば、まずは諸外国が実施しているギャンブル依存症対策と同水準の対策ができていることが大前提なのではないでしょうか?

 

それと、本来のカジノ法案の目的は、外国人観光客を集めて日本経済を活性化させることです。

もし十分なギャンブル依存症対策を立てられないのであれば、いっそのこと日本人のカジノ入場を全面禁止にすべきだと思います。