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今回は、2013年と2017年のギャンブル依存症の人数推移について考えていきます。

2013年に行われた調査の結果、日本では推定で536万人以上がギャンブル依存症の疑いがあると発表されました。

しかし、2017年に行われた調査では、ギャンブル依存症の疑いがある人の推計は320万人という結果でした。

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ギャンブル依存症の人数推移が不自然?

2013年から2017年までの調査結果を単純に捉えれば、4年間でギャンブル依存症の疑いがある人が、おおよそ1.7倍も減ったことになります。

 

果たして、本当にギャンブル依存症の疑いがある人は減ったのか?

あるいは、どちらかの調査結果が間違っていたのでしょうか?

 

まずはそれぞれの調査についての情報をおさらいしましょう。

2013年の調査

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2013年に行われたギャンブル依存症の調査は、成人男女の4,153人を対象にした自己回答式のアンケート調査です。

すると、4.8%の人がギャンブル依存症の疑いありというアンケート結果になり、それを割合を日本の成人人口に当てはめると、約536万人がギャンブル依存症の疑いがあるということになります。

また、2013年時点では米国でギャンブル依存症の疑いがある人口割合は1.6%、韓国でギャンブル依存症の疑いがある人口割合は0.8%と言われていました。

 

米国や韓国といった諸外国と比較した場合、日本はギャンブル依存症の疑いのある人口割合が突出して高いと推定され、ギャンブル依存症の対策強化を求める声が強まったワケですね。

なお、2013年の調査結果によると、ギャンブル依存症の疑いのある人たちの83%はパチンコ・パチスロに依存している、ということでした。

2017年の調査

2017年に行われた調査は、成人男女の4,685人を対象にして行われました。

ただ、2017年はアンケート調査ではなく、面談調査という違いがあります。

そして面談調査の結果、3.6%の人がギャンブル依存症の疑いありとなり、日本の成人人口に当てはめると約320万人がギャンブル依存症の疑いがあるということになりました。

 

ちなみに2013年の4.6%という数値、2017年の3.6%という数値は【生涯有病率】のことです。

生涯有病率とは、生涯のどこかのある1年間でギャンブル依存症の疑いがありという数値なのですが、2017年の3.6%という数値を参考にしても米国や韓国の数値を大きく上回っていることなりますね。

なお、生涯有病率は12カ国で調査が行われていますが、12カ国の平均値は1.5%となっています。

2つの調査結果の違いは?

考える女性05

2013年の調査人数は4,153人、2017年の調査人数は4,685人と多少の違いはあれど、統計学上ではほとんど問題になりません。

2つの調査結果の大きな違いは、2013年はアンケートによるものということに対して、2017年は面談調査ということでしょう。

前者のアンケートはあくまで自己申告制なので、どちらかと言えば面談調査の方が正確性があるように思えます。

 

ただし、調査を担当した研究班はこの人数推移は評価できないと言っており、一概に2017年の数値が正しいとも捉えることができません。

しかし、2017年は生涯有病率とは別に【過去1年有病率】も調査されており、ギャンブル依存症問題を考える上では過去1年有病率が特に重要になると考えられます。

2つの有病率について

先ほど説明した生涯有病率に対して、過去1年有病率とはその名の通り、直近1年間でギャンブル依存症の疑いがある人の割合のこと。

また、生涯有病率は人が亡くなったりしない限りは増え続けていくのに対して、過去1年有病率は常に増減している数字です。

ギャンブル依存症対策法案では、ギャンブルにのめり込むことにより日常生活に支障が出ている状態が問題視されているため、その時点の生活に支障が出ている過去1年有病率を重要視すべきと考えられるワケですね。

過去1年有病率は何%?

調べ物をする男性01

2017年に行われた調査では、過去1年有病率は0.8%という結果になりました。

過去1年有病率は17カ国で調査が行われていますが、17カ国の平均値は0.8%(約70万人)。

 

つまり、日本は生涯有病率こそ12ヶ国の中でもトップクラスとなっているものの、過去1年有病率はほぼ平均値に収まっているということになりますね。

そして、生涯有病率と過去1年有病率の2つが分かると、ギャンブル依存症の回復率も求めることができます。

日本は諸外国よりも回復率が高い

回復率を求める計算式と、計算結果は下記の通りです。

 

(生涯有病率-過去1年有病率)÷生涯有病率=(3.6%-0.8%)÷3.6%=77.8%

 

計算の結果、日本のギャンブル依存症の回復率は約78%。

諸外国の回復率の平均値は57%となっているので、日本は諸外国よりも突出して回復率が高いと言えます。

 

回復率を基にして具体的な話をすると、生涯でギャンブル依存症の疑いがある約320万人のうち、約250万人はギャンブル依存症から回復したということに。

また、過去1年でギャンブル依存症の疑いがある約70万人のうち、約55万人はギャンブル依存症から回復するという仮説が立てられます。

パチンコ依存からは回復しやすい?

レトロなパチンコ台1

2013年の調査ではギャンブル依存症と疑われる人の83%がパチンコ・パチスロ依存と言いましたが、2017年の調査でも83%とほぼ変わっていません。

これも踏まえると、パチンコ・パチスロ依存は他のギャンブル依存よりも軽度なのではないかと考えられます。

これは中々興味深い結果と言えますよね。

 

しかし、過去1年でギャンブル依存症の疑いがある人が約70万人として、そのうち81%の人がパチンコ・パチスロに依存していると考えると、1店舗あたり約59人のギャンブル依存症の疑いがある人がいることに(店舗数を9600店とした場合)。

いくら回復率が高い可能性があると言っても深刻な数字です。

 

また、ギャンブル依存症対策がうやむやのまま日本でカジノが解禁されるようなことがあれば、諸外国の平均値に近づいていくと考えられます。

そのため、一刻も早い法整備が求められている事実には変わりありません。