パチンコ依存症の家族への接し方というのは、実は非常に難しいものです。
接し方を間違えてしまえば、家族の思いとは裏腹に病気の進行を早めてしまう可能性もありますし、人間関係や借金問題といった状況も悪化していくばかり・・・
あなたがもしパチンコ依存症の家族を何とかしたいと思うのなら、まずはあなた自身がパチンコ依存症についての正しい知識を身につけることが重要です。
家族が絶対にやってはいけない尻拭い
パチンコ依存症の家族に対して絶対にやってはいけないのは、当事者の人間関係のトラブルや借金の尻拭い。
しかし、実はこれはパチンコ依存症問題に悩む家族のほとんどがやってしまいがちなことです。
自分の家族の一員がパチンコで借金をしていることが分かったら、気が動転してしまうのは仕方のないことだと思います。
また、とりあえず借金を返して本人をパチンコから遠ざければ何とかなるだろう、と思ってしまうかもしれません。
でも、パチンコ依存症で起こった問題を表面化させない限りは、当事者も自分がパチンコ依存症だということに気づかないんです。
当事者はパチンコで何か問題を起こしたとしても、きっと誰かが助けてくれるだろうと安心してしまい、しばらくすればまた借金をしてパチンコをするでしょう。
その結果、以前よりも借金額が膨れ上がってしまったというのは、特に珍しいことではありません。
高圧的な態度を取ってはいけない
人間関係や借金問題の尻拭いと同じく、パチンコ依存症に悩む家族がやってしまいがちなことは、パチンコ依存症当事者に対して高圧的な態度を取ってしまうことです。
具体的には、当事者が借金をしてまでパチンコをしたことを責めて、もう絶対にパチンコをしてはダメだと強制したり、当事者からお金を取り上げてしまうという接し方。
こういった接し方をすると、パチンコ依存症当事者の中では家族に対する憎しみの気持ちが膨れ上がっていき、結果的にさらにパチンコに依存するようになってしまいます。
頭ごなしにパチンコをするなと叱っても、当事者は家に帰りたくないから遅くまでパチンコをやり続けます。
また、当事者から全てのお金を取り上げても、何とかしてお金を工面してパチンコをするのが依存症者。
嘘を付いてお金を借りるのは当たり前ですし、どうしようもなくなれば闇金でお金を借りてしまうことだってありえます。
悪循環を断ち切ることが重要
これまでに挙げてきた家族の接し方は「共依存」と言われるもので、これがパチンコ依存症の回復を妨げる大きな要因と言われています。
★共依存についての解説はこちら
⇒ギャンブル依存症者の周りの共依存者が回復を妨げる要因!!
家族がいくら尻拭いしようと、パチンコ依存症当事者は全く困っていません。
家族が尻拭いしている限り、当事者にとってはパチンコ依存症の治療をする理由がないんです。
だって、どれだけ問題を起こそうが、自分ではなく家族が何とかしてくれるんですから。
また、尻拭いをしている家族には、目先の問題を解決して自分が楽になりたいという気持ちがあります。
実際は、自分が苦しいから助けているだけで、それを当事者のためと置き換えているだけなんです。
手を出すのではなく、手を引くこと
あなたが本当にパチンコ依存症の家族を何とかしたいと思うのなら、手を出すのではなく、手を引くことが重要です。
当事者の借金問題で気が動転しそうになるかもしれませんが、パチンコで起こった問題の責任は本人に返すという接し方が当事者にとって効果的です。
そういった対応を続けることで、パチンコ依存症当事者は自分の力だけではどうしようもないことが分かり、はじめて家族を頼りにします。
このことを【底付き体験】と言い、ここからパチンコ依存症の治療に繋がっていきます。
もし家族に何かできることがあるとすれば、パチンコ依存症当事者を助けないことと思っておきましょう。
自助グループへの参加
パチンコ依存症の家族への接し方を説明してきましたが、正直これを実践するのは非常に難しいです。
そこで活用していただきたいのが、ギャンブル依存症問題で悩む家族が集まる「ギャマノン」という自助グループのミーティング。
★ギャマノンについての解説はこちら
⇒ギャンブル依存症の自助グループ・ギャマノンとは?
ギャマノンのミーティングに参加すると、同じようにパチンコ依存症問題で苦しんでいる家族や、パチンコ依存症問題から立ち直った家族の話を聞くことができます。
そこでパチンコ依存症当事者への対応の仕方も学べますし、パチンコで起こった問題の責任は本人に返すというスタンスを貫き通せる、強い気持ちが持てるようになるんです。
パチンコ依存症問題は1人で悩む必要はなく、同じ経験をした仲間たちと一緒に立ち向かった方がよっぽど心強いですし、早い段階で治療に繋げられる可能性が高まります。
まとめ
家族内のパチンコ依存症問題で悩んでいるのであれば、まずは家族がパチンコ依存症についてしっかりと理解しておく必要があります。
そして、当事者への接し方を変えれば、当事者も自分がパチンコ依存症だということを自覚して、治療に繋げていくことができます。
パチンコ依存症当事者を家族の力でどうにかしようと思うのではなく、家族が変わることで結果的に当事者も変わると覚えておきましょう。