カードとチップ1

「ギャンブル依存症は治らない・・・」

ここまで断定的な意見でないにせよ、ギャンブル依存症は完治することがない病気だとか、再発率が高くて回復(克服)するのが難しい病気とよく言われます。

そう言われる理由は、一体何なのでしょうか?

今回は、4つの項目に分けて解説していきます。

意志の力だけでは治らない

ギャンブル依存症は未だに病気という認識が浅く、本人の人格や性格、意志が弱いからといった風に捉えられがちです。

しかし、実際のところはWHOも認めている精神疾患で、本人の意志の力だけでは治りません。

何故かと言うと、ギャンブル依存症が進行することで脳機能の変化が起こるから。

 

ギャンブルで勝った時の体験や刺激というのは、脳に強烈に焼き付きます。

そして、脳がその刺激をもう一度味わいたいという衝動に駆られ、ギャンブルを繰り返すようになるんです。

その結果、ギャンブルにだけしか反応しない脳に作り変えられ、そのほかの事に興味が湧きづらくなってしまいます。

★ギャンブル依存症と脳機能の変化についての詳細記事はこちら
ギャンブル依存症で脳が変化する!?脳内物質の過剰分泌と脳機能の低下

些細なキッカケで再発する

ギャンブル依存症1

ギャンブル依存症は、再発率の高い病気としても有名です。

一度ギャンブル依存症によって変わってしまった脳は、二度と元には戻りません。

そのため、何とか頑張ってギャンブルをやめようと思っても、些細なキッカケでまたギャンブルをやりたくなります。

 

また、ギャンブル依存症者にとってはギャンブルが習慣化されているので、それを急にやめるとなると眠れなくなったり、イライラしたりして落ち着きがなくなります。

仮にギャンブル依存症の適切な治療を受け、1年くらいギャンブルをやめていたとしても、もう自分は治ったという油断からギャンブルをして、ギャンブル依存症が再発してしまうケースは多いです。

 

ギャンブルをやめてから3年以上経ってから再発するケースも珍しくはなく、一度ギャンブル依存症になると再発の不安が常に付きまとうことになります。

ギャンブルをやめられない理由

悩む男性1

ギャンブル依存症の原因には、ドーパミンという快楽物質が深く関わっています。

ギャンブルで大勝ちするとドーパミンが大量に分泌され、またその快楽を味わいたいと脳が求めてギャンブルを繰り返す・・・

ここまでの流れは先ほども触れましたが、さらに厄介な問題があるんです。

 

それは、ギャンブルを繰り返していくうちにドーパミンが出づらくなっていくこと。

次第に脳がさらに大きな刺激・快感を求めるようになり、ますますギャンブルにのめり込んでしまいやすい状態になってしまいます。

 

ギャンブル依存症の適切な治療を受ければ、だんだんとその状態を回復させていくことはできますが、重度のギャンブル依存症になってしまうと同じ状態に舞い戻ってしまいやすいのも事実。

だからギャンブル依存症は治らない、一生治療していく必要があると言われているんです。

★ギャンブルとドーパミンに関しての詳細解説はこちら
ギャンブル依存症とドーパミンの密接な関係を分かりやすく解説!

回復を遠ざける要因

悩む男性2

ギャンブル依存症の回復を遠ざける要因を、3つに分けて解説していきます。

ギャンブル依存症当事者

ギャンブル依存症はアルコール依存症などの依存症に比べて、治療を受けていない当事者が多いのが特徴です。

ギャンブルをはじめてから10年ほど経った後、借金問題などに発展してどうしようもなくなった時に家族が治療に連れて行くケースが多く、当事者は病気ではなく意志の問題だと思って過ごしています。

しかし、本人にギャンブル依存症という自覚がないので、強制的に治療を受けさせても効果はなく、ギャンブルを繰り返し続けるんです。

また、途中で治療をやめてしまう人もいます。

ギャンブル依存症は否認の病

ギャンブル依存症は【否認の病】と言われています。

 

「自分がギャンブル依存症のワケがない」

「やめようと思えばいつでもやめられる」

 

そのような気持ちが先行して、自分が病気だということを一向に受け入れられないんです。

その背景として、ギャンブル依存症当事者の8割近くはサラリーマンや公務員、主婦といったごく普通の生活をしている人たちということが挙げられます。

 

日本ではまだまだギャンブル依存症についての理解が浅く、ギャンブルで問題を起こす人は自分をコントロールできない意志の弱い人、または年収が少なくギャンブルで一発逆転を狙っている人だと思われがちです。

だからこそ、普通の生活をしている自分がギャンブル依存症になってしまったことが信じられないんです。

 

そして、自分の甘さが原因でギャンブルがやめられないんだと思いつつもギャンブルをやめられず、借金をしてまでギャンブルを繰り返してしまいます。

でも、実際のところは意志の問題ではなく脳機能が変化してしまっているので、甘さとかいう精神論ではギャンブル依存症は一向に治らないワケですね。

当事者の家族

実は、ギャンブル依存症当事者の家族も回復から遠ざける要因になります。

代表的な例は、家族がギャンブル依存症当事者の借金を肩代わりしてしまうこと。

借金の肩代わりは結局のところ、ギャンブルの問題を先延ばしにしてしまうだけです。

 

たとえ家族が当事者の代わりに借金を完済し、当事者に二度とギャンブルはするなと責めたところで、当事者はピンチになったら誰かがまた何とかしてくれると思っています。

家族が借金問題に介入することで、当事者が自分の病気を自覚することから遠ざけてしまい、病気じゃないと思っているから治療をする必要性も感じないんです。

 

この状態が改善されなければ、ギャンブルでの借金問題が再燃するのは時間の問題。

それだけでなく、ギャンブル依存症当事者の行動に振り回された家族の方が疲れてしまい、パニック障害強迫性障害といった病気になってしまう可能性もあります。

家族が肩代わりしているうちは治らない

ギャンブルでの借金を肩代わりしている限り、当事者のギャンブル依存症は治りません。

家族ができることがあるとすれば、ギャンブルの問題は当事者に返すというスタンスを貫いて、当事者に金銭的な援助をしないことです。

当事者が自分の力だけではどうにもならないという底付き体験をすることで、はじめてギャンブル依存症の治療に繋がっていきます。

 

そして、ギャンブル依存症は病気だから回復する可能性がある、完治は難しいが克服することはできると分かれば、当事者も家族も前向きな気持ちで治療に取り組むことができます。

★ギャンブル依存症の家族への対応の仕方についての詳細解説はこちら
ギャンブル依存症の家族への対応(対処法)や相談場所・家族会

日本の環境

寂しそうな男性1

日本でギャンブル依存症が深刻な問題になっているのは、日本の環境そのものが原因と考えられます。

点在するパチンコホール

日本には全国どこを見渡しても、至るところにパチンコホールが点在しています。

街を歩けば嫌でもパチンコホール視界に入ってくるため、ギャンブルから完全に距離を置くのが難しく、日本のギャンブル依存症者の8割はパチンコ・パチスロ依存と言われている程です。

ストレス発散の場が少ない

ギャンブル依存症は真面目な人ほどかかりやすいとも言われており、原因としてはストレス発散の場が少ないことが挙げられます。

過度なストレスを抱えた時、たまたま始めてみたギャンブルにハマってしまったというケースは多く、

 

「パチンコホールに入ると気持ちが落ち着く」

「パチンコホールだけが自分の居場所だ」

 

と、自分の存在意義を見い出すためにギャンブルを繰り返し、重度のギャンブル依存症になってしまう人がいるんです。

対策そのものが遅れている

ギャンブル依存症者が増えているのは、日本では対策そのものが遅れていることが起因しています。

依存症治療に関しての環境や仕組みも整っていませんし、先ほど書いたようにギャンブル依存症についての理解も浅いです。

 

治らない病気という認識どころか意志の問題で片付けられてしまうので、ギャンブル依存症当事者にとっては再出発しにくい環境ですし、当事者にせよ家族にせよギャンブルの問題を中々打ち明けることができません。

そのため、まずはギャンブル依存症という病気の正しい知識を日本全体に広めることが重要なのではないでしょうか。