レトロなパチンコ台1

2017年9月29日に厚生労働省は、20歳から74歳までの約320万人がギャンブル依存症が疑われる状態(だった)、という調査結果を発表しました。

日本は他の先進国に比べてギャンブル依存症者が多いのですが、依存症患者が多い原因としては競馬や競艇といった公営ギャンブルはもちろん、パチンコ・パチスロという独自の文化が発達していることでしょう。

パチンコホールは日本全国どこにでもあり、実に日本のギャンブル依存症患者の8割強はパチンコ・パチスロ依存と言われています。

ギャンブル依存症の症状

ギャンブル依存症と聞くと、あなたはどんなことを想像しますか?

極論を言ってしまえば、借金をしてまでギャンブルを繰り返してしまうのがギャンブル依存症、そうでない場合はギャンブル依存症予備軍と分けることができます。

 

以前、ギャンブル依存症患者100人に対して行った調査では、患者がギャンブルにつぎ込んだ平均額は約1290万円とのこと。

普通の人の感覚であれば到底理解できないかもしれませんが、ギャンブル依存症になると脳機能のバランスが崩れてしまい、ハイリスク・ハイリターンな選択をするようになってしまうんです。

ゲームに例えるなら、陣取りゲームの開始早々に拠点の防御を考えず全軍で総攻撃を仕掛ける、と言った感じです。

 

これだけ聞くと、本人の意思や性格の問題として捉えてしまいがちですよね?

確かに、ギャンブル依存症になりやすい性格の傾向はあります。

しかし、ギャンブルをやる人であれば誰にでもギャンブル依存症になってしまう可能性はあり、依存症になると脳に変化が起こってしまうため、本人がギャンブルをやめようと思ってもやめるのが難しいんです。

★ギャンブル依存症の症状の詳細解説はこちら
ギャンブル依存症の症状は?4段階に分けて解説します

本人に自覚症状がない

女性を泣かせる男性3

ギャンブル依存症の特徴として、本人に自覚症状がないことが挙げられます。

 

「自分がギャンブル依存症のワケがない」

「やめようと思えばいつでもギャンブルをやめられる」

 

・・・こういった思いから医療機関での治療を考えず、家族や友人も依存症ではなく愛好家として見ているので、気づいたら症状が悪化して多額の借金を抱えていたといったケースが非常に多いです。

先ほどのギャンブル依存症患者100人に対しての調査では、病院で受診したのは10年以上後という患者が多く、日本でギャンブル依存症についての正しい情報・知識が浸透していないことが浮き彫りですね。

ギャンブル以外のことに興味が湧かない

競馬場のおっちゃん1

ギャンブル依存症が進行すると、ギャンブル以外のことに対して興味が湧きづらくなってしまいます。

ギャンブルをしている時には気分がハイになっていますが、ギャンブルから離れた途端にイライラや不安を感じてしまい、さらに症状が悪化すると家庭や職場にも影響が・・・

職場であれば、ギャンブルが原因で遅刻や欠勤が多くなり、家庭であれば夫婦間や両親との関係が悪化していきます。

そして、家族に嘘を付いて使ってはいけないお金をギャンブルの資金にしたり、消費者金融から借金をしてまでギャンブルを繰り返すようになってしまうんです。

本人はダメなことだと分かってはいる

ギャンブル依存症当事者は使ってはいけないお金を使ったり、借金をしてまでギャンブルするのをダメなことだと分かってはいます。

しかし先ほど書いた通り、ギャンブルによって脳が作り変えられてしまっているので、本人の意思ではどうすることもできません。

また、ギャンブルでの借金額に家族が驚き、慌てて借金の返済を肩代わりしたとしても状況は悪化するばかりで、根本的な治療に取り組まない限りはドンドンと借金が膨れ上がっていくことになります。

それだけでなく、家族が間違った対応をしてしまえば、ギャンブルをするための資金を得ようと犯罪を犯したり自責の念から自殺願望が芽生えてしまう危険性もはらんでいるんです。

★ギャンブル依存症の家族への対応の仕方
ギャンブル依存症の家族への対応(対処法)や相談場所・家族会

ギャンブル依存症の歴史

医者 診察2

最近になってこそ、ギャンブル依存症という言葉が当たり前のように使われ出しましたが、そもそもギャンブル依存症というのはアルコール依存症や薬物依存症と特徴が似ていることから使われるようになりました。

WHO(世界保健機関)では「病的賭博」と言う病名で精神疾患として認定されており、アメリカでは「ギャンブル障害」と呼ばれています。

また、昔は精神疾患としてではなく、強迫性障害の1つと認識されていたため、「強迫性ギャンブリング」と呼ばれていたこともあります。

薬物・アルコール依存症との共通点

薬物依存やアルコール依存症は、薬物・アルコールという物質に対しての依存で、ギャンブル依存症はプロセス(行動)依存という違いはあるものの、これらの依存症には共通点が多いです。

例えば、アルコール依存症患者は医者の指示を理解しているものの、アルコールを飲みたいという衝動が抑えられずに隠れてアルコールを飲み続けてしまいます。

 

ギャンブル依存症は借金をしてはダメということを理解しているものの、ギャンブルをしなければという衝動が抑えられずに隠れてギャンブルをし続けます。

こういったような同質性から、薬物依存症やアルコール依存症と同じようにギャンブル依存症という言葉が使われるようになり、今では同じ診断カテゴリーに含有されているというワケです。

ギャンブルと強迫観念

ギャンブル依存症1

ちなみに、「ギャンブル」と「強迫」という言葉の2つから、あなたは何を連想しますか?

ギャンブル依存症になるとある強迫観念にかられることになるのですが、あなたは分かるでしょうか?

それはズバリ、

 

「ギャンブルで負けた分はギャンブルで取り返す」

 

という気持ちに他なりません。

昔は、このような強迫観念が原因でギャンブルにのめり込むと考えられていました。

しかし、今ではギャンブルが原因で脳の機能の一部が低下して、ギャンブルでの負けはギャンブルで取り返すという、ハイリスク・ハイリターンな衝動にかられてしまうと考えられるようになってきているということですね。