度々パチンコによるギャンブル依存症がメディアで取り上げられていますが、実際はパチンコだけでなく、競馬などの公営ギャンブルでの依存症も深刻な問題になっています。
パチンコと競馬の大きな違いは、競馬は賭け金の上限や配当が底なしということで、勝ち額と負け額が青天井ということ。
ビギナーズラックでたまたま大きな勝ちを得てしまえば、パチンコ以上にハマってしまう可能性が高いですし、負け額を取り返そうとして借金を繰り返し、人生が破滅してしまう危険性も孕んでいます。
そこで今回は、競馬によるギャンブル依存症の末路や、競馬によるギャンブル依存症の克服方法を紹介していきます。
競馬依存症の末路
依存症を自覚せず、借金によるギャンブルを繰り返した結果はどうなるのか。
明るい未来が待っているワケがないことくらいは、容易に想像できますよね。
競馬依存者の多くは一発逆転を狙って競馬で借金を取り返そうと考えますが、人生そう上手く行くワケありません。
これは、競馬依存によって人生が破滅してしまった3人の体験談です。
体験談1(30代・男性)
大学を卒業し、そこそこの会社に就職できたのですが、競馬のおかげで全てを失いました。
私が競馬を始めたのは会社の先輩に誘われたのがキッカケでしたが、ビギナーズラックというやつでいきなり大勝ちしてしまい、一気にハマってしまいました。
3ヶ月必死に働いても稼げないようなお金を一瞬で手に入れてしまった感覚が忘れられず、その後も何度も何度も競馬を続けました。
しかし、始めた頃のような大勝ちは中々できず、生活費を注ぎ込んでも返ってくるお金なんてほとんどありません。
私の競馬依存は日に日にエスカレートしていき、気づけば借金までして競馬をするようになっていました。
そして、相変わらず競馬では負けが続き、遂には自分の給料では返済できないくらいに借金が膨れ上がることに・・・
藁にもすがる思いで学生時代から付き合っていた彼女に相談してみると、最初のうちはお金を貸してくれたのですが、一向に競馬から抜け出せない私の姿に愛想を尽かしてそのまま破局。
学生時代の友人や職場の同期にも頼りましたが、結局競馬の魔力には打ち勝てずに借りたお金をそのまま競馬の資金にあててしまいました。
結局、職場の同期から借金のことが会社にバレて会社も退職。
依存症と借金のおかげで、20代全てを棒に振ってしまいました・・・
体験談2(20代・男性)
大学2年の夏頃に競馬に出会い、5万円負けました。
それから約1年間大学に行かず、バイト代の全てを競馬に注ぎ込んだ結果、留年が決定しました。
友達と会っても私の話は競馬ばかりなので、競馬を知らない周りの友達からしてみればサッパリで、自然と浮いてしまっていました。
留年後も競馬に依存する生活は続き、結局大学は中退して今は工場でバイトをして生活しています。
思い返してみれば、大学生活で思い出らしい思い出は何一つありません。
今は知り合いと会うのも億劫ですし、家族や親戚ともずっと会っていません。
体験談3(40代・男性)
元々パチンコやスロットといったギャンブルが好きでしたが、競馬を勧められてからというもの一気にハマリこんでしまいました。
最初は58万勝ち、2度目は38万勝ち、3度目は16万勝ちといった具合に順調に勝ちが続いていましたが、何度も行っているうちに勝てなくなり、負けてくるようになりました。
生活費だけでは資金を工面できなくなった私は、父親の墓を購入するためのお金にも手を付けてしまいました。
お金を使い果たしても競馬はやめられず借金は膨らみ、毎月の返済額と同額を月々の競馬資金にあてて取り返す・・・といった計画を妻に話したのが最後。
とうとう限界がきてしまい、子供と一緒に出ていってしまいました。
依存症の克服
ギャンブル依存症を克服しようと思ったら、まずは依存者本人が自分はギャンブル依存症なんだと自覚することが重要です。
先述した体験談を読んでみて、こんな人生を歩みたいと思いましたか?
まずは依存者がもう取り返しのつかない状況まで踏み込んでいるという危機感を持つことで、ギャンブル依存症という精神疾患と向き合うことから始めましょう。
しかし、ギャンブル依存症の怖いところは、危機感を持てば持つほどにギャンブルで取り返そうという危うい判断をしてしまうところ。
そんな状況に陥らないよう、依存者だけでなく家族も協力して依存症を克服していく必要があります。
また、依存症と愛好家の線引きに関してですが、借金を繰り返してまで競馬にハマリ込んでいるかどうかが一つの判断基準です。
生活費を注ぎ込みつつも、ギリギリのところで生活が回っている・・・という場合は、まだ本人の意志や家族の協力だけでやめられる可能性はありますが、そうでない場合は専門の治療を受けたり、ギャンブル依存症の自助グループに通った方がいいでしょう。
※ギャンブル依存症のチェック方法に関しては、こちらの記事を参考にしてみてください。
⇒ギャンブル依存症チェック!大丈夫と思っている人ほど危険かも?!
依存症予備軍の克服方法
・決められた予算を絶対に守り、予算を超えてまで競馬をしない。
・絶対に知り合いからお金を借りない(依存者にお金を貸さない)。
・財布の中身を空にする(キャッシュカードも持たない)。
・給料や口座の管理は家族がする。
・競馬情報をシャットアウトするため、ネット環境(スマホ・PC)を完全に遮断してスポーツ新聞なども読まない。
・公営ギャンブルが栄えていない田舎に引っ越す。
・競馬の代わりに打ち込める趣味を見つける。
・休日には絶対に予定を入れる。
注意点
一応、依存症予備軍という括りで克服方法を挙げてみました。
ここでいう予備軍というのは、借金はしていないが生活費をギリギリまで使い込んでいるといった状態を指しています。
本人が競馬をやめたいという強い意志があれば、これで症状が改善することがありますが、絶対にしてはいけないのは、困っている当事者を見かねて金銭的な援助をしてしまうこと。
ギャンブル依存症には多くの場合、症状を加速させる人が周りにおり、それを共依存者と言います。
本人のためと思ってお金を貸したり、借金を肩代わりしてしまった場合、なんだかんだで助けてくれる人がいると安心して借金を繰り返します。
そのため、仮に旦那様が競馬にハマリ込んでいるなら、離婚を切り出して別居するといった処置を取った方が、結果的に症状が改善することが多いのです。
依存症というのは一般的に、ハマっていた期間の1/2の期間が必要だと言われています。
つまり、競馬歴10年なら5年は我慢しないといけません。
しかも、ギャンブル依存症が治ってきたと思っても、ふとした拍子で再び症状が再発してしまう恐れもあります。
依存症は徐々に症状が改善するということを理解した上で、家族が一緒にギャンブル依存症と戦っていくことが大切だということを忘れないようにしてください。