私がギャンブル依存症の克服に成功したきっかけは、33歳の時に妻に離婚を切り出されたからです。
当時は子供がまだ1歳だったにも関わらず、私は仕事が終わっても家には帰らず、毎日のようにギャンブルに明け暮れていました。
そして、妻にギャンブルで借金をしていることが発覚してしまい、一度は両親に借金を肩代わりしてもらったものの、懲りずに再び借金をしてギャンブルを続けました。
妻はそんな私と一緒にいるのが限界で、子供の将来のことを考えても不安で仕方がなかったのでしょう。
ある日、とうとう妻から離婚を切り出された私は、人生のどん底に突き落とされたような気持ちになりました。
目次
底付き体験が克服のきっかけに
愛する妻と子供を失ってしまうと危機感を覚えた時、私ははじめて自分がギャンブルというモノに操られており、自分の力だけではどうすることもできないという無力さを実感しました。
そして、最寄りの健康保健福祉センターに自分の状況を相談してみることにしたんです。
★全国の健康保健福祉センター一覧はこちらの記事に記載しています
⇒ギャンブル依存症のカウンセリングを受ける前に知っておきたいこと
これをきっかけにして専門の医療機関で診察を受け、自分はギャンブル依存症という病気なんだと気づくことができました。
診察を通して教わったのは、ギャンブル依存症というのは【否認の病】で、自分がギャンブル依存症だということを自覚することから治療がスタートするということ。
それと、ギャンブル依存症を本気で克服しようと思ったら、ギャンブルの問題に関して決して嘘を付かず、全てを正直に話すことが大事だということです。
また、依存症とは仕事や人間関係、孤独感から逃げようとすることがきっかけなので、自分がなぜギャンブルに逃げてしまうのかという原因を知ることも重要なんです。
ギャンブル依存症はれっきとした病気
ギャンブル依存症は他の依存症とは違い、お金の問題が絡んで生活ができなくなるから深刻ですよね。
ギャンブル依存症と向き合わずに放置しておけば、借金と家族を失った後悔だけが残ります。
妻に離婚を切り出されるまでの状況に陥った時、私は自分のことを非常に情けなく思い、こんなダメ人間は私以外いないと自己嫌悪に陥りました。
しかし、ギャンブル依存症は単なる性格の問題ではなくれっきとした病気なので、必要以上に自分のことを傷つける必要はないと教えていただけました。
私が幸運だったのは、ギャンブル依存症の専門の病院で診察を受けられたこと。
実は、ギャンブル依存症を専門としている病院は少なく、専門外の病院では精神安定剤などの薬を処方されるだけということも少なくないようなんです。
そういった事態を避けるためにも、もし自分の判断で医療機関で診察を受けようと思った時には、あらかじめギャンブル依存症を専門としているかを確認しておくことを強くオススメします。
★ギャンブル依存症の治療ができる全国の病院一覧はこちら
⇒ギャンブル依存症の治療ができる病院【全国版】
私が克服に成功した理由
私がギャンブル依存症の克服に成功した理由は、専門家のアドバイスを忠実に実行したことです。
私は病院への通院と並行して、GAというギャンブル依存症当事者が集まる自助グループのミーティングに参加しました。
GAのミーティングでは、同じようにギャンブルの問題で失敗した方の体験を聞くことで、自分のギャンブルについての問題を考えることができます。
自分の問題を客観視するのは難しいですが、ミーティングを通して他の人の問題を聞いていくうちに、自分の問題と照らし合わせて客観視できるようになるんです。
そして、ミーティングに通い続けることで、私はどれだけギャンブルをするために嘘を付いて妻を傷つけてしまったか、自分勝手にお金を使い込んで両親をも巻き込んでしまったかと深く反省するきっかけになりました。
今日一日だけやめてみる
GAに通ってギャンブル依存症についての知識を深めつつ、私はギャンブルから距離を置くよう努力しました。
私が教わったのは、もう絶対にギャンブルをしないと考えるのではなく、まずは今日一日だけギャンブルをやめようと考え、次の日になったら今日も一日やめてみようと考えることです。
そして、もしギャンブルをしたくてたまらなくなったら、GAのミーティングで連絡先を交換した参加者に、素直にギャンブルをしたいと打ち明けること。
すると、同じ問題を抱える仲間から「もう一日だけ頑張ってみようよ」といった励ましをもらえるので、もう一日頑張ってみようと自分を奮い立たせることができるんです。
ギャンブルで負ける仕組みを知る
私がギャンブル依存症を克服するために、ギャンブルで負ける仕組みについても勉強しました。
例えばパチンコの場合、パチンコホールの土地代や店を建てるだけでも莫大な費用が掛かっています。
さらに、維持費や人件費、新台入替や広告費といった費用も上乗せされていますし、その費用は全て打ち手が支払うことになります。
つまり、打ち手が儲かるような仕組みであれば、パチンコホールの経営は成り立たないということです。
こういった胴元が儲かるような仕組みを知ることで、私はギャンブルと距離を取ることができるようになりました。
過去に失敗した例
せっかくなので、私が過去にギャンブルの問題を克服しようとして失敗した例も紹介します。
まずは冒頭でも挙げたように、両親に借金を肩代わりしてもらったことですね。
両親に借金を肩代わりしてもらったことで甘えが生まれ、結局また借金をしてギャンブルをするようになってしまいました・・・
その他の失敗は、4円パチンコから1円パチンコにレートを下げてみたり、パチンコホールに行く回数を制限してみたりといったこと。
結局、レートを下げたり行く回数を減らそうと頑張ってみても、射幸心を煽るよう巧妙に計算されたギャンブルでは通用しません。
1円パチンコで少し儲かればそのお金で4円パチンコを打ちたいという気持ちになりますし、行く回数を制限しても今月は全然打ちに来てないから少しくらい多めに使っても大丈夫という気持ちから、大きい金額を使ってしまうことになってしまいます。
ギャンブル依存症を克服しようと思ったら、きっぱりとギャンブルをやめるしかないんです。
少しずつ距離を置こうという気持ちでは一向に克服できないどころか、症状をより悪化させてしまいます。
また、私の経験上、パチンコ・スロットのアプリも全く効果はありませんでした。
アプリをしているうちに、結局ホールで実機を打ってメダルや玉を景品に変えたいと思ってしまいますからね。
ギャンブルとの縁を切るために
私はギャンブルとの縁を切るために、ギャンブルに関する情報を全て遮断することにしました。
家に置いてあった実機も捨てましたし、ギャンブル関連の雑誌を買うのもやめました。
それだけでは足りないと思ったので、スポーツ新聞も読まないようにしましたし、ギャンブルをしている人との交流すらも避けるなど、とにかくギャンブルと距離を取ることを徹底化。
また、ギャンブルのことを考えられないように、休みの日は家族行事を中心に色んな予定をビッシリ入れるようにしました。
こうすることで、物理的にギャンブルをする時間が無くなりますし、大切な家族との時間を優先できるので一石二鳥です。
そして、ギャンブル以外の趣味を持つことができたのも、ギャンブル依存症問題の克服に成功した理由の一つ。
私の場合、学生時代にはバンド活動をしており、趣味でギターの演奏を再スタートしました。
絶対に借金はしないこと
私は借金を繰り返してまでギャンブルに依存しました。
ギャンブル依存症を克服するにあたって、借金の問題は切っても切れません。
たとえ明日には返せるくらいの少額の借金であっても、一度借金をしてしまえば癖になり、気づけば取り返しの付かないくらいの額に膨れ上がってしまいます。
そこで、私は債務整理をして借金ができない状況に自分を追い込みました。
債務整理には大きく分けて4つの手続きがありますが、いずれの手続きにしても最低5年間はクレジットカードを作ったりローンを組むことができなくなります。
また、借金を大きく減額できる可能性もあるんです。
ギャンブル依存症を克服するために必ずしないといけないワケではありませんが、借金額があまりにも膨れ上がって現実的に返済できるような状況でない場合や、カードを家族に管理してもらうだけでは不安という場合にはオススメの方法ですよ。
★債務整理の手続きの種類についてはこちらの記事
⇒ギャンブル依存症と債務整理-あなたのお悩み、解決します-
ギャンブル依存症を自力で克服するのは非常に難しく、自助グループの仲間との助け合いや家族の協力が必要不可欠です。
ギャンブルの問題に関しての嘘や隠し事はせず、大切な家族の幸せを優先することを心がけてください。
微力ながら、あなたがギャンブルのない人生の再スタートを切れることを応援しています。