ギャンブル依存症者の周りには、ほとんどの場合で共依存者がいると言われています。
共依存という言葉に聞き馴染みがないかもしれませんが、簡単に説明してしまえば【ギャンブル依存症当事者の尻拭いをしてしまう人】のことです。
具体的には、人間関係の問題や借金を肩代わりしてしまうといった行動が挙げられますが、共依存者は好意のつもりでしているつもりでも、結果的にギャンブル依存症の回復を妨げることになってしまいます!
目次
共依存とは?
冒頭では極めてシンプルに共依存というものを説明したので、掘り下げて説明していきますね。
共依存とはある人間関係そのものに依存してしまうことで、共依存者は対象の相手に必要とされることで自分の存在意義を見出そうとします。
共依存者は自分を犠牲にしてまで相手の好意を得ようとするのですが、実は相手の行動をコントロールしたいという意識が潜在的に働いている傾向があるんです。
ちなみに、共依存は女性に多いと言われており、実際のところギャンブル依存症当事者の母親や妻が共依存というケースは多いです。
また、母親や妻といった家族だけでなく、友人や会社の同僚が共依存者というケースもあります。
ギャンブル依存症当事者との関係性
ギャンブル依存症当事者の側に共依存者がいると、一体どんなことが起きると思いますか?
例えば、共依存者がギャンブル依存症当事者の借金に気が付き、借金を肩代わりしたとしましょう。
すると、ギャンブル依存症当事者はまた借金を作ってしまっても何とかなると思い込み、さらに借金を増やしてしまうといったように、ギャンブル依存症の症状をより悪化させてしまいます。
そして、共依存者はギャンブルが原因での借金のことを責め立て、ギャンブルをすることに対して強く反発したり、相手のお金を強引に管理しようとします。
この時、共依存者の多くは、
「あなたのためを思って~」
という言葉を使うでしょうが、相手は自分の感情を押さえ込まれていることでストレスを感じます。
こうなってしまうとストレスを発散するために結局ギャンブルを繰り返し、ギャンブルをやめない依存症当事者を共依存者はさらに責め立てることになってしまいます。
つまり、ギャンブル依存症当事者と共依存者の終わらないイタチごっこが始まる、というワケですね・・・
家族間の共依存の具体的ケース
ギャンブル依存症当事者が借金を肩代わりしてもらうと、支払った相手と共依存の関係ができやすいと言われていますが、それは先述した内容を読めば容易に想像が付くと思います。
ギャンブル依存症当事者は借金をしてまでギャンブルをしてしまうことに負い目は感じていますし、共依存者は無意識に相手の行動をコントロールできると思い込んでしまいますからね。
そこで、今回は家族間の共依存、妻が借金の肩代わりをした場合と母親が借金の肩代わりをした場合に陥りがちな関係について見ていきましょう。
妻が借金を肩代わりした場合
夫のギャンブルでの借金を妻が肩代わりした場合は夫は負い目を感じてしまうため、妻の待っている家に帰るのが気まずくなります。
妻の方はと言えば、借金を肩代わりしたことがキッカケで夫の行動をコントロールしたいという気持ちが高まることに。
その結果、先ほど書いたように夫は家に帰らずギャンブルを繰り返し、妻はそんな夫を責め立てるといったイタチごっこが始まります。
母親が借金を肩代わりした場合
母親が借金を肩代わりした場合も、やはり子供はそれに対して負い目を感じることになりますが、それと同時に自分が困った時には親が何とかしてくれるという依存心が強まります。
母親に関しては、自分が監視していないと子供が心配で心配でたまらないというように共依存の傾向を強めます。
そして、子供はいつまで経っても親離れができずに借金を繰り返してしまう・・・というワケですね。
今すぐできる!共依存チェック
実は、共依存というのは病名ではなく、○○だから共依存だというハッキリとした定義もありません。
しかし、これから紹介するチェックシートを使えば、共依存の傾向が高いのか低いのかを調べられるんです。
質問は全20問で構成されており、恵比寿メンタルクリニックのHPから共依存チェックの傾向の高低の結果を知ることができますよ!
・一人でやっていけるという自信がなく、見捨てられるかもしれないと不安にかられる。
・貸しを作るのはいいが、借りができるのは極端に嫌だ。
・自分の問題はたいしたことはないと自分に言い聞かせて、表面上はなんでもないように振舞う。
・相手が落ち込んでいると、感情移入して自分も落ち込んでしまったりする。
・自らを犠牲にしてまでも、相手を助けたり、世話をしたりするのが好きだ。
・罪の意識を感じやすく、相手の問題は自分のせいだと思い込みやすい。
・他人の問題にのめり込みやすく、相手からの精神的、性的、身体的侵入を許してしまったりする。
・自分にあまり関係ないことでも、責任感を感じてがむしゃらにこなすことが多い。
・自分がしてあげたことに対して、強く見返りを求めてしまう。
・過去の人間関係の間違えから学ぶことができず、同じ間違えを繰り返す傾向がある。
・被害者意識にとらわれ、自分は犠牲者だと思い込み、弱々しくなる。
・自分の周りには害があるのに、波風を立てぬよう、問題を明らかにしない。
・相手を自分の都合がいいように変えようとコントロールすることがある。
・好きという感情かどうか分からないが、相手から離れられないでしがみついていることがある。
・「こうあるべき」や「こうなるはず」という決め付けにとらわれやすい。
・相手の気分を敏感に察して、先へ先へと頭を働かせたり、心配したりする。
・ある特定の相手のことで頭がいっぱいで他のことがおろそかになることがある。
・「ノー」が言えず、何でも引き受けて疲れてしまったり、恨みに変わったりする。
・自分に深く関係があることでも、嫌なことは見て見ぬふりをする。
・問題や危機が起こっているような人間関係に巻き込まれていることが多い。
※引用元:共依存チェック(恵比寿メンタルカウンセリング)
※診断はリンク先(恵比寿メンタルカウンセリングHP)から行えます
共依存を克服するには?
共依存を克服しようと思ったら、まずは自分が共依存だということを自覚することが第一歩です。
そして、自分一人では解決しようとせず、専門家の診察やカウンセリングを受けて、共依存を克服するための考え方をしっかりと学んでください。
自分が共依存だということは中々受け入れづらいかもしれませんが、先ほど紹介した共依存のチェックシートで共依存の傾向が強いという結果が出た場合は、一度専門家にアドバイスを求めてみることをオススメします。