日本で深刻な社会問題となっているギャンブル依存症問題。
他の先進国に比べ、日本はギャンブル依存症率が飛び抜けて高いことで知られていますが、その原因の一つとして挙げられるのがパチンコ・スロットです。
日本の何処へ行ってもパチンコホールが点在していますし、心理戦などの駆け引きをしなくても楽しめるので、ビギナーズラックからパチンコにハマってしまったという声は多く聞きます。
そこで今回は、パチンコからギャンブル依存症になってしまった3人の体験談を紹介します。
30代男性の体験談
私は大学の頃、友達に誘われて行ったのがキッカケでパチンコにハマってしまいました。
結婚してからもパチンコや競馬などのギャンブルをやめられず、嫁に内緒で借金をしながらギャンブルを続けました。
そして、あるとき嫁にギャンブルでの借金のことがバレてしまい、それが理由で離婚することに・・・
ギャンブルが原因での離婚を機に、
「今のままではダメだ」
と思い、頑張ってギャンブルから遠ざかろうと決心しました。
でも、仕事終わりにパチンコ屋の前を通ると、頭ではダメだと分かっていても、何かに引っ張られるようにパチンコ屋に入ってパチンコやスロットを打ってしまうんです。
また、マンガを読もうと思ってネットカフェに行くと、そこでも設置してあるスロットを打ってしまいます。
これはもう、完全にギャンブル依存症というやつですね。
最近では、親に嘘を付いてまでお金を借りてパチンコを打つようになりました。
少し前から、パチンコ・スロットを打っていて楽しいという感覚が無くなりました。
パチンコやスロットを打っていると、途中からしんどいという気持ちが強くなっていきます。
それでも、自分が注ぎ込んだお金がある時一気に返ってくるんじゃないかと思い、ギャンブルをやめられません。
正直、自分のギャンブル依存症はもう治らないという諦めも入っています。
今年でパチンコと出会って15年になりますが、自分の人生を振り返ると本当につまらない道のりを歩んできたと思います。
20代男性の体験談
私は就職するまでパチンコやスロットをしたことが無かったのですが、職場の同僚にスロットに誘われて初めてパチンコホールに入ってスロットを打ちました。
そして、ビギナーズラックというやつでいきなり20万円勝ってしまい、そこから一気にパチンコ・スロットに依存するように。
学生時代の友人から遊びに誘われても全て断り、仕事終わりや休みの日には近所のパチンコホールに通い続けました。
その結果、1年間で貯金300万円を使い果たしてしまい、今ではさらに200万円の借金をしています。
本当はもうギャンブルをやめたいのですが、やめたいと思っても次の日にはパチンコホールに行ってしまうんです・・・
この前も母親から借りた生活費の3万円を、全部パチンコに使ってしまいました。
ギャンブルをする前は多少金額が高くても良いものをと思い、健康に気遣った食事を摂っていましたが、今では激安のカップ麺や半額の惣菜を食べて何とかしのいでいます。
もともと車が大好きだったので、頑張ってお金を貯めて買った愛車だけは絶対に売れないと思っていたのですが、生活が苦しくなった時とうとう売りに出してしまいました。
そして、そのお金も全てパチンコに使ってしまい、自分はギャンブルに取り憑かれていると感じました。
「俺はオカルト信者とは違って、ちゃんとデータを取って立ち回っている」
「パチンコは絶対に勝てないと言ってるやつは、ただ自己管理ができていないだけ」
「負けているやつが多いおかげで、自分は勝ち組になることができる」
パチンコで借金をする前には、ギャンブルはやめた方がいいとアドバイスをくれた友人にこんなことを豪語していました。
でも、今となっては自分こそが本当のバカだったと泣きたくなります。
自分が重度のギャンブル依存症ということは自覚してからは、カウンセリングを受けたり自助グループに通うことにしました。
しかし、今でもパチンコやスロットを打ちたいという気持ちが抑えられず、
「今度はどの台を打とうかな」
と仕事中にも考えてしまい、全く仕事が手につきません。
ギャンブルにハマってからは職場に嘘を付いて休みを取り、スロットを打ちに行ったこともありました。
最近は何か目に見えない歯車が狂っている感覚が、不安で不安でしょうがないです。
40代男性の体験談
私は20代の頃からパチンコや競馬、競艇といったギャンブルをするようになりました。
ギャンブルをはじめた頃は勝ちが続いていたので、
「自分には他の人間にはない博才があるんだ」
と思い込んでいました。
パチンコ屋や競馬場が自分の居場所だと、本気で思っていたんです。
何年もパチンコ屋に通っていると、そのうちに1日10万負けようが何も感じないようになりました。
最後には、自分の意思ではなく誰かの意思でハンドルを握らされているのではないかと恐怖を感じるようになり、苦しくて苦しくて死んでしまいたいと思うように・・・
そして、自分がギャンブル依存症だということを自覚して、自助グループに助けを求めることにしたんです。
自助グループでギャンブル依存症の悩みを抱える仲間と繋がってからも、数年間はパチンコを続けていました。
しかし、次第にパチンコへの興味が薄れていき、パチンコ屋の前を通っても素通りすることができるようになりました。
これも、自助グループで出会えた仲間のおかげだと思います。
「ギャンブル依存症かも」と思ったら
「自分、または親しい人間がギャンブル依存症かもしれない・・・」
そう思った時は、まずはギャンブル依存症チェックをしてみましょう。
★ギャンブル依存症を診断するためのチェックシート
⇒ギャンブル依存症チェック!大丈夫と思っている人ほど危険かも?!
もしギャンブル依存症と診断された場合は、カウンセリングを受けたり自助グループに参加することを強くオススメします。
なぜなら、ギャンブル依存症は自力で回復させることが非常に難しい精神疾患だからです。
ギャンブル依存症は一生治らないと言われていますが、治療を受けることで症状を回復させることはできます。
症状の回復には相当の時間が掛かるということを理解した上で、ギャンブル依存症当事者だけでなく家族全員が一丸となってギャンブル依存症と戦っていく覚悟が必要です。